2015年3月の旧作短評

その月に見た最新映画以外の作品について、短評でまとめています。

短評なのでいつもより口調が若干軽め。

ザ・ヘラクレス

レニー・ハーリン/2014年
別件で書いている記事のため、ドウェイン・ジョンソン版「ヘラクレス」と比較するために観賞。
こちらは正統派のヘラクレス映画かと思いきや、実は10の難業に挑戦する前の時期を描いた映画でびっくり。
怪物との戦いが見られなかったのは残念だが、パンクラチオンや剣闘を行うシーンが見せ場になっており、ケラン・ラッツの見事な肉体を堪能することができる。
ジョンソン版と同様、両手を戒められた姿が登場したのも印象的。
突然繰り出される必殺技には思わず吹き出してしまった。

ヘラクレス 帝国の侵略

ニック・ライオン/2014年
レンタル店で見かけてしまって、2本の「ヘラクレス」と比較するために鑑賞。
アサイラム製作、アルバトロスフィルムの販売。
主演ジョン・ヘニガンの肉体と徒手空拳は見事である。
一般的なアサイラム作品よりは衣装などに樹を使っていたように思う。

アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー

ロジャー・コーマン/2012年
レンタル店で見かけてあまりのインパクトあるタイトル(というか出落ちだ)に惹かれて鑑賞。
チアリーダーが巨大化していろんなことが巻き起こるという筋書きだ!
見どころは明らかに撮影技術をごまかしているカット割りと、セミヌードぐらいは当たり前のセクシー描写。
体にコンプレックスを抱えていることが話の振りになっていたり、意外としっかりしている部分があるような、いややっぱり根本のプロットがプロットだから雑なような……。
にしても最後の展開、因果応報にしてもそこまで悪いことはしてないように思うんだけど!
お話を広げるところはおかしみがあるのに、たたむ段になると突然ヘタってくるという典型的なバカ映画。でも見ている間は楽しめた。

俺たちに明日はない

アーサー・ペン/1967年
TOHOシネマズの「午前10時の映画祭」で鑑賞。いつもお世話になっています。
映画界に暴力や性描写などの表現を盛り込んだアメリカ・ニューシネマの代表的作品、ということは知識では知っていても実際に見た事はなかったが、さすがの名作。
悪事を社会情勢と同時に描くことで観客の感情を主役に傾かせ、所々でその天秤を調整しながらラストに向かって行く。
実在の人物を元にしているのだから最後がどうなるかは知っているはずだが(というか、この映画が有名すぎて筆者も知っていたのだが)、積み重ねられる演出でハラハラさせられる。
いまの基準からすればそう露骨ではない死体描写や性描写もあるが、みていて驚いた。

グランド・ブダペスト・ホテル

ウェス・アンダーソン/2014年
アカデミー賞ノミネート作品を見逃したくないために鑑賞。
見事な美術、メイク、衣装、全てが相まって、あらゆるカットが芸術的。
普通はカメラの存在が気になってしまうスライドも、目を楽しませてくれる効果的な演出に仕上がっている。
物語の展開も適度にスリリングでおしゃれ。
「美しい」というのは陳腐な言葉だが、この作品に対してはそれしか言えないように思う。

ペイン&ゲイン

マイケル・ベイ/2013年
マイケル・ベイが本当に撮りたかった映画、と聞きつけ、どういったものかを確認するために鑑賞。
30億円しか(!?)使わずに撮った自称低予算映画。
ベイ流の悪趣味さを全開にした話運びと、意外なほど決まっているカメラワークで非常に見やすい。
「トランスフォーマー」でもにじんでいた露悪趣味も犯罪映画というモチーフにぴったりとはまっている。
どんどん悪化していく事態を完全に他人事として眺める楽しさが見どころ。
実話を元にしていること自体がおかしさの根本になっていて、安心して最低さを楽しむことができる。
「これはまだ実話です」