LUCY ルーシー

人間の脳はまだ、すべての機能を発揮しているわけではない……というのは、フィクションの世界ではたびたびネタにされるモチーフだ。
たいていは予知能力などの超能力の理屈づけに使われる、かなりアニメ的なテーマではあるが、本作はそれを大真面目に実写で撮影する。しかも、メガホンを撮るのは『レオン』『フィフス・エレメント』などでおなじみのリュック・ベッソンだ。
本作も、監督の持ち味であるエッジの効いたヒロイン像と、バイオレンス溢れるアクションを見ることができる。


ルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、韓国系マフィアの取引に巻き込まれ、特殊なクスリの運び屋として使われることになる。

しかし、輸送の途中、体内に埋め込まれたクスリが漏れ出し、彼女の体に重大な変化をもたらす。普段は10%しか使われていない脳の機能を、限界を超えて引き出してしまうのだ。
人間の能力をはるかに超えた力を手に入れたルーシーは、脳科学の権威ノーマン博士(モーガン・フリーマン)の助力を得ようとする。
一方、マフィアのボス・チャン(チェ・ミンシク)は、ルーシーを再び捕らえようと追跡を開始する……。

スカーレット・ヨハンソンが全身をフルに使って挑むアクションと演技はさすがの一言。
ルーシーは超能力とさえ言えるような脳機能を使いこなせるようになる一方、だんだんと人間らしい感情を失っていく。死ぬと分かっている手術をするぐらいならさっさと殺してしまえ、といった行動パターンだ。
ルーシーの目的は、別にマフィアを壊滅させて世界を救おうなどというものではない。人間の限界を楽々飛び越えてしまった彼女にとっては、その程度は些細な問題だ。
では何が目的なのかというと、「このままでは24時間以内に体が崩壊する」と悟り、「自分が何をすべきか」ということを探求することだ。
感情を失いながらも、目的を探す。そうした超人的な演技は見所の一つだ。

もう一つの見所は、暴力的とすら言えるアクションシーン。
ルーシーを付け狙うマフィアは、人の命を軽々と奪う危険な存在だ。おなじみのチャイニーズマフィアではなく、コリアンだというのも不気味さに拍車をかけている。
ルーシーを含めてやたらに引き金が軽い連中ばかり。それだけに、必死さが伝わってくるというものだ。
最大の見せ場は中盤のカーアクションだ。やや強引に挿入されたきらいもあるが、迫力は抜群。
「運転ははじめて」と言いつつ、「すべてを感じることができる」ルーシーのドライビングは、他の映画ではなかなか見ることができないものだ。

ルーシーが人間を超えた先に何をしようとするのか。
そして、それはどのような方法で行われるのか。
善悪を超えた先に待っているラストシーンは衝撃的だ。

本作でスカーレット・ヨハンソンが演じる主人公、「ルーシー」は、エチオピアで発掘されたアウストラロピテクスの化石に与えられた名前だ。人類の起源を示す重要な発見にちなんでいるというわけだ。
2001年宇宙の旅を思わせる動物や抽象性の高いカットも新鮮みがある。
哲学的なテーマを投げかけると同時に、暴力にまみれたB級映画として気楽に見ることもできる。
リュック・ベッソンらしい、人によって見え方が変わる面白い作品だ。

LUCY ルーシー」への12件のフィードバック

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