グランド・イリュージョン 見破られたトリック

演技派俳優たちによる共演と、マジックを使った大掛かりな逆転劇により、大ヒットを記録した「グランド・イリュージョン」続編。

ハッタリの聞いたマジックの見せ場と、出演者の演技力によって支えられたリアリティのある会話シーンの間のメリハリがテンポよく、130分の上映時間を一気に見せてくれる。

終盤の畳み掛けるようなどんでん返しだけでなく、ロジックと感情を積み重ねていくうえで、豪華な役者たちの演技合戦も大きな見どころ。

マジックと犯罪を組み合わせ、観客を「だます」ストーリーテリングが爽快だ。


アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット(ウディ・ハレルソン)、ジャック(デイブ・フランコ)らは、マジックを用いた犯罪で、世の不正を暴くイリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」のメンバー。

彼らに指示を出す「アイ」からの連絡を待ちながらくすぶっていたが、新人のルーラ(リジー・キャプラン)を迎え、ハイテク企業の陰謀を暴くために発表会に潜入。しかし、そのショーを失敗し、ウォルター(ダニエル・ラドクリフ)によって捕えられてしまう。

フォー・ホースメンは身の安全と引き換えに、ある品物を盗み出す依頼を引き受けることになるが……。


まず一言、忠告を入れておく。

本作の内容は、前作に含まれる大きな仕掛けのネタバレを含んでいる。あなたが前作「グランド・イリュージョン」を視聴していないなら、できれば前作を先に観たほうがいい。

本シリーズ(第三作の製作も決定しているらしい。めでたい!)はマジックを題材に取っているだけあり、劇中ではもちろん、観客さえだますトリックを仕掛けるのが醍醐味となっている。

繰り返しになるが、前作も一緒に楽しみたければ、必ず「グランド・イリュージョン」→「グランド・イリュージョン

見破られたトリック」の順で観ること。

以降の内容にも前作の内容が含まれるため、注意していただきたい。

ちなみに、筆者はこちらを先に観てしまったので、前作を鑑賞中常に半笑いで観るハメになってしまった。


さて、マジックの側面が強調されて語られがちな本作ではあるが、むしろメインになっているのはケイパーもの(強奪もの)ジャンルとしての面白さだ。

序盤、久々の仕事として新作スマートフォンの発表会に潜入するホースメンの活躍は非常にテンポよく、楽しいシークエンスになっている。特に、アイゼンバーグ演じるアトラスが次々に衣装を変えながら侵入していく一連のシーンは犯罪ものらしく痛快だ。

また、新メンバーのルーラ()の悪趣味な血しぶき芸も最高。「やりすぎ!」という、気持ちいい映像で目を楽しませてくれる。

その見事なシークエンスから一転、悪役であるウォルター(ダニエル・ラドクリフ)がフォースメンを超えるトリックで罠にかける、という不穏さもいい。

犯罪をテーマにしているものの、陰惨な内容はなく、全体にカラッとした雰囲気で演出されているのも好印象。前作と比較しても、盛り上げを重視した、ハッタリのきいた見せ方がされているので気楽にみることができる。


ところでだれもが思い至る点ではあるが、マジックと映画の相性は悪い。

現在ではCG処理によってそこにないものを映してみせたり、逆に消すことも簡単にできる。そうでなくても、世界初のSF映画と呼ばれる「月世界旅行」ですら、編集によるトリック撮影が行われている。

一方、マジックは様々な方法で人間の知覚をだまし、一見してあり得ないことを起こして見せる技術だ。

かくして、どのようにでも編集できる映画の中でマジックを描いて見せても、マジック本来の驚きを得るのは難しい。

この問題に関する回答としては、本作は半分はうまくこなし、半分はまだ改良の余地がある、という印象だ。

CG処理で表現しているからタネは気にしなくていい、という場面と、実際にカメラの前でマジックをして見せるシーンがある程度はわかるように描かれている。たとえば、都合よくその場から消えてしまう場面が少なくないが、そのディテールを書き込まれて話が停滞するよりは、さっさと前に進めてくれたほうがいい。一方で、前述したような侵入シークエンスなどでは、実際に素早いトリックや錯覚を利用するディテールがわかるように描写され、観客に驚きと楽しみを与えるようになっている。

ただし、控えめに見ても催眠術は都合優先で描かれ、他人の行動や知覚を自由に操れるものになってしまっている。それができるなら何でもアリだろ、という気もするが、これも映画のテンポを上げるためのものだと考えておこう。催眠術はあくまで補強であり、それのみで話が進む場面はあまりない。


そんな本作において、最大の見せ場になっているのが中盤に描かれるカードトリックのシーンだ。

ボディチェックをかいくぐり、一枚のカードを隠し続ける、というだけのシーンなのだが、俳優たちが実際にカードを掌の裏表に素早く隠したり、死角に追いやって見つからないようにする手際は見事。

観客もホースメンと一緒になって人をだます快感を味わうことができ、本作の主題である「目に見えるものだけがすべてとは限らない」をアクションとして見せてくれる、楽しい場面だ。

監視カメラはないのか、とか、それこそ催眠術でなんとかなるのではないか、などの疑問は浮かばないでもないが、それよりもシーンの楽しさのほうが勝る。多少コミカルな見せ方のほうが、本作のリアリティラインには則しているということだろう。

過剰に長く、アイデア豊富なカードの隠し方を見せてくれる上、仲間から仲間に次々に受け渡すシークエンスは、爆笑&感心間違いなし。誰もが本作の白眉に上げるシーンだろう。


クライマックスでは様々な描写が入り乱れる複雑な展開が描かれる。

その内容にはあまり多く触れないほうがいいが、いちおう、ネタバレとして記載しておく。

ロンドン全体を巻き込んだ超大規模なマジックがいくつも繰り広げられるわけで、非常に盛り上がるのだが、どれだけの予算があればこんなことが可能なのか考えると少し笑ってしまう。細かい突っ込みはヤボというものなのだが、特にアトラスのマジックはあまりにスケールが大きくて突っ込まずにはいられない。各種見せ場となるマジックはメリットがある目的を達成するための陽動なのだが、それにしては少し時間を割きすぎな気がしないでもない。また、マジックシーン以外のアクションはあまり楽しさが担保されていないように思える。中盤での格闘アクションもそうだが、クライマックスの一部となっているバイクを使ったシーンはあまり強調する必要がないように感じた。

とにかく、派手なシーンの目白押しで目に楽しいクライマックスなのは疑いようもない。


さて、前作のどんでん返しに匹敵するような大きな仕掛けが本作にもあり、さすがにここに触れずにレビューを終えるわkにもいかないだろう。

ここをネタバレしてしまうのはあまりに無配慮なので短く感想だけを言えば、筆者は好意的にとらえている。

他の作品では不自然に感じられる部分もあろうが、本作ではマジック、そして「見たままがすべてではない」という言葉がテーマになっている。こうした描き方も、十分に「アリ」と感じた。

とはいえ、前作の内容を台無しにするような展開に怒りを覚える人の気持ちもわかる。

マジックを使った犯罪ものとしての見せ方はまだまだ広げる余地がありそうだ。演技派の役者たちの豪華な絡みも見ものなので、続編もおおいに期待したい。


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グランド・イリュージョン 見破られたトリック」への20件のフィードバック

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