映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ

「ふたりはプリキュア」から数えて10周年にあたる「ハピネスチャージプリキュア!」は、レギュラー放送の頭で歴代プリキュアが挨拶をするなど、気合いの入ったシリーズになっている。
10周年での定番化を避けるためだろうか、長らく封印してきた「恋愛」を前面に押し出したストーリー展開など、今までの定番を覆すための試作も様々に行っている。
本作も伝統を受け継ぎながら、劇場版初監督の今千秋を据えて、挑戦的な一作だ。

幻影帝国との戦いを続ける愛乃めぐみ/キュアラブリー(声:中島愛)、白雪ひめ/キュアプリンセス(声:潘めぐみ)、大森ゆうこ/キュアハニー(声:北川里奈)、氷川いおな/キュアフォーチュン(声:戸松遥)らハピネスチャージプリキュアの四人。
ある時、突然バレリーナの人形・つむぎ(声:堀江由衣)が彼女らに助けを求めてきた。その願いに応えて、彼女らは人形たちが暮らす国・ドール王国へと向かう。
王国を襲う敵を倒し、舞踏会での歓待を受けるが、そんな中、再び敵が現れ……。

「プリキュア」シリーズでは、年に二回映画を公開するのがすっかり定番化した。
春の新シリーズが始まったばかりのころに、歴代プリキュアと新作プリキュアが一堂に会する「プリキュアオールスターズ」のシリーズ。
秋には現在放送中のシリーズが単独で主役を張る劇場版というわけだ。
もちろん、今作は後者にあたる。およそ3クール、40話近いエピソードを積み重ねて描いてきたキャラクターたちの魅力を一時間強という短い時間にぎゅっと詰め込んだ作品に仕上がっている。

劇場版のクオリティの高さは、映画であることはもちろんだが、もう一つ理由がある。
「プリキュア」シリーズのメインターゲットは未就学児だ。小学校に上がるとき、見るのをやめる女児が多いのだという。
そんな女児が、一人で見ることができるわけがない。だいたいは、お父さんかお母さんが一緒に見に来るというわけ。
となると、立派な大人が見て満足できる作品にしなければならないわけだ。
日曜の朝、テレビで流されているだけなら、子どもをテレビの前に座らせて大人は大人の用事を済ませておけばいい。だが、劇場で一時間も座って見るとなれば話は違う。
「こんなつまらないものを見てるのか」と思わせたら失敗である。「この子が夢中になるのも分かる!」と思わせれば、10月以降のクリスマス商戦を制したも同然。
商業主義というなかれ。それでこそ潤沢な資産を投じ、見事なアニメーションが生まれるのだ。
だから、秋映画はその作品の魅力が高密度に凝縮されたものになっているのである。

前置きが長くなってしまった。
本作の最大の魅力は素晴らしいクオリティのアニメーションだ。
大田和寛によって再解釈されたキャラクターデザインは、大画面にアップで映ると思わずため息を尽きたくなるほどの見事さ。「かわいい」というより、「輝かしい」といいたくなるほどだ。
そのデザインが崩壊することなく、画面狭しと動き回るアクションシーンは素晴らしい。まさにプリキュアシリーズの神髄と言える。

が、本作の魅力はむしろ、非アクションシーンに見いだしたくなる。
キャラクターはみな感情豊かで、くるくる変わる表情が飽きさせない作りになっている。
ドール王国で開かれる舞踏会の独特の華やかさは、映画全体を通じて語られる「踊る」ということの意味を踏まえれば、ますます色濃く感じられる。
また、本編では滅多に見られない、「悲しみ」や「苦しみ」の表情にも注目だ。
特に、普段は脳天気なまでに明るく前向きなキャラクターとして描かれてきたキュアラブリーことめぐみが涙を流すシーンは、少々サディスティックな快感さえ覚えてしまいそうなほど。

劇場版プリキュアシリーズの最大の特徴と言えば、すっかりおなじみの「ミラクルライト」だ。
入場のさいに中学生以下の観客にだけ配られるもので、劇中でプリキュアがピンチに追い込まれた時、観客がそれを照らし出して応援するというもの。
ヒーローショーでヒーローの名前を大声で呼ぶような、そのシステムを映画に輸入したものだが、この表現が画面から物語にいたるまで、劇中のすべてを支配しているといっても過言ではない。
なんといっても、プリキュアが復活したりパワーアップすることに、物語中の説明が必要ない。観客の応援があれば、彼女らは何度でも立ち上がるのだ。
そして、自分たちが映画に参加していることから来る没入感、それから生まれる多幸感は他の作品ではなかなか味わえるものではない。
体験したことがないなら、ぜひ劇場で、子どもたちが応援する姿を目撃して欲しい。たぶん、脳のどこかにある、「なんかよくわかんないけど無条件に感動するスイッチ」が押される瞬間を感じられると思う。
物語中のカタルシスは、強大な敵よりもさらに恐ろしいものに直面しためぐみの、プリキュアたちの決断にある。
「みんなで幸せハピネス」を合い言葉に、1年近くも戦ってきたハピネスチャージプリキュアだ。そんな彼女たちが、「プリキュアの力では解決できない問題」にぶつかったとき、それをどのように乗り越えるのか、どうやって立ち向かうか。
自分たちの考え方が否定されたあと、何を信じて立ち上がるのか。
10周年を迎えてマンネリに陥ってはたまるものかという、意欲的なテーマ設定がなされている。
最終的には、いつもの女児向けアニメの世界観に立ち返ってくるわけだが、この過程を踏まえてなお、「プリキュア」の描いてきた世界観に回帰させようというその姿勢が素晴らしい。

なお、すっかり押しも押されぬゆるキャラの筆頭となったふなっしーが応援隊長として本人(?)役で出演しているが、あまり出番は多くない。
映っただけで画面を支配している存在感を放っているから、この判断は正解だったと思う。

映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ」への43件のフィードバック

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