タグ別アーカイブ: イギリス

キングスマン

2015年、突然スパイ映画ブームが到来した。いくつも公開される大作スパイ映画の中で、公開順で最も早かったのが本作、「キングスマン」である。

年末の「007スペクター」に向けてますます高まっていくスパイ熱のさなか、本作は非常に明快なスタンスでこのジャンルに挑んでいる。

すなわち、「荒唐無稽で現実離れしたスパイ映画を、もう一度正しく作ろう」ということだ。そしてその狙いは見事に成功している。テーマ設定からわくわくするガジェットに至るまで、そのコンセプトががっちりハマリ、イギリス流のひじょーーーーーに悪趣味なユーモアで味付けした傑作だ。

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

アラン・チューリングは、現代のコンピュータの基礎を作った人物だ。人工知能を審査する「チューリング・テスト」に名前が残っているが、その功績はあまりに過小評価されてきた。

本編で明かされるとある事情により、彼はその生涯を不名誉な形で閉じている。そのうえ、戦後20年以上もの間、彼が行ってきた活動は国家機密となっていた。しかし2012年、英国貴族院によりチューリングへの恩赦が行われ、彼の名誉と功績がたたえられた。

かくして、悲劇の天才数学者は歴史の脚光を浴び、その活動が広く知られることになる。そして本作において、理想的な形で映像化されたわけだ。

内容はまさに暗号を解くゲームのようだ。さまざまな謎が観客には与えられ、それがひとつひとつ、丁寧に解かれていく。すべてが解き明かされるとき、観客はまさにエニグマを解読したチューリングの喜びに共感し、そして彼が迎えた結末に涙するのだ。

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