タグ別アーカイブ: コメディ

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

ジョニー・デップが自らの製作で「長年演じたかった」と語るキャラクターは、イギリスの貴族にしてインチキ美術商。たかだか数百円のしろものを何百万という高値で売りつけるような、正統派とはとても言えない主人公だ。

そんな彼が対面するのも、一癖も二癖もあるキャラクターばかり。そんな登場人物たちのウィットの利かせた会話が全編にわたって繰り広げられる。

華麗なる名画の秘密、という副題からも察せられる通り、ユーモラスでありながらゴージャスな画面作りも特徴だ。

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ANNIE/アニー

ミュージカルの中のミュージカルと言っても過言ではないだろう題材を、現代版にアレンジ。しかも、「赤毛の少女」というキャラクターが定着しているアニーを黒色人種に置き換えて……という、大胆な挑戦を挑んだ最新版「アニー」。

ウィル・スミス、ジェイ・Zというラッパーふたりがプロデュースを手がけ、音楽面からも最新版にアップデートしているのだろう。さまざまな仕掛けが音楽には仕込まれているのだろうが、筆者は残念ながら現代音楽には詳しくなく、その文脈で語る事はできない。

とはいえ、そんな知識を抜きにしても、前向きなメッセージが胸を打ち、心温まる映画になっている。

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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

現代社会に生きるヴァンパイアたち。死者でありながら人間たちから隠れ、ひっそりと身を寄せ合って暮らしている……と、これだけ書くと、ずいぶん深刻そうに思えるが、全編のタッチはコメディだ。

モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)形式をうまく使って、客観的な視点で吸血鬼をとらえる。異常なものを主観的にとらえればホラー、客観的に見ればコメディ、というのはよく言われることだが、本作はまさにそれを体現している。

下品なギャグも頻出する作品だが、モキュメンタリーを利用してどこか品の良いナンセンスギャグとして成立させている。そうして、吸血鬼たちを「彼らは本当にどこかに生きているのかも」という気分にさせてくれる。(もちろん、吸血鬼だから死んでいるのだが)

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100歳の華麗なる冒険

 物語を描くには、二つの方向性がある。
 ひとつは、登場人物や世界を掘り下げ、「深度」を増すことで物語を推進させていく方向。
 もうひとつは規模、スケールを広げることで、物語をどんどんエスカレートさせていく方向。映画ではこちらの方向性が相性がいいように思う。実際に映像で、何がどうなっているかを示すことができるからだ。
 さて、「100歳の華麗なる冒険」は、スウェーデン国内で興行収入ナンバーワンに輝いた作品であるという。何が人気を集めたのか。それは、本作を観てみれば一目瞭然。この作品のエスカレートぶりはもはや快感の域に到達している。

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