タグ別アーカイブ: スリラー

ヴィジット

芸術の役割とは、いかなるものか。

感情を揺り動かすのが芸術だと考えることもできるし、新しい価値観を提示するのが優れた作品であるという考えもあるだろう。

いずれにしろ、恐怖や不安、焦燥や絶望など、普通に生きていてはそうそう味わうことができない強烈な感情を呼び起こすスリラーは間違いなく芸術作品だ。

本作は「シックス・センス」などで知られるシャマラン監督が、原点回帰をうたって低予算の自主製作を行った作品。

観客をどのように怖がらせるか、映画製作者が何十年も繰り返してきた挑戦の最新成果ともいえる、純度の高いスリルを味わうことができる。

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ゴーン・ガール

重層的なテーマを持つ作品は、観客の心に様々な波紋を生む。

期待通り、予想外、想像以上。いくつもの感情が渦巻き、その作品が真に訴えようとしたものへ向かって思索が深まっていくのを感じるはずだ。

本作、ゴーン・ガールはまさに複雑な深みを持った映画である。タイトルからすでに不穏さがにじみ出している本作は、すでに巨匠デヴィッド・フィンチャーの最高傑作とも呼び声高い。

観客の常識を裏切り、倫理観を揺さぶる。足場ごとぐらつくような緊張感と不安感。その先では、生きていく上で決して避けられないテーマと直面することになる。

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LUCY ルーシー

人間の脳はまだ、すべての機能を発揮しているわけではない……というのは、フィクションの世界ではたびたびネタにされるモチーフだ。
たいていは予知能力などの超能力の理屈づけに使われる、かなりアニメ的なテーマではあるが、本作はそれを大真面目に実写で撮影する。しかも、メガホンを撮るのは『レオン』『フィフス・エレメント』などでおなじみのリュック・ベッソンだ。
本作も、監督の持ち味であるエッジの効いたヒロイン像と、バイオレンス溢れるアクションを見ることができる。

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