タグ別アーカイブ: ファンタジー

ホビット 決戦のゆくえ

本作で完結となる『ホビット』は3部作だが、その前作にして後日談の『ロード・オブ・ザ・リング』3部作までを含めれば、なんと6本、18時間にも及ぶとてつもない壮大さの作品だ。

映画史上稀に見る長大なシリーズの完結編である本作は、これまでの5作すべてを総括し、また繋ぐ役割を持っている。トールキンが伝え酔うとしていたテーマに立ち返り、また新しいアイデアを豊富に盛り込んだ大作であり、中つ国の物語を締めくくるにふさわしい完成度である。

20世紀最高のファンタジーと言われる異世界をスクリーンの中に再現するのはあまりに高すぎるハードルだが、ピーター・ジャクソン監督は見事にそれを超えてみせた。

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西遊記~はじまりのはじまり~

「GOLDEN ASIA」は、アジア諸国で興行収入ナンバーワンになった作品や、映画賞を受賞した作品を日本に紹介するレーベルだ。各国のいちばんおいしい作品だけを味わうことができるのだから、映画ファンにとってありがたいことこの上ない。
 その第一弾に選ばれたのが、2013年、中国でベストセラーとなった本作だ。言わずと知れたチャウ・シンチーの最新作というだけでも話題性は十分だが、その題材を西遊記に取るというのならば、もちろん「ロード・オブ・ザ・リング」並みのスケールの大きなファンタジーを期待してしまうというものだ。
 果たして、「ロード・オブ・ザ・リング」が、叙事詩的に世界を切り取り、壮大なスケールで描き出した作品とすれば、本作は口伝が口伝を重ねて、何人もの語り手たちが勝手に話のスケールを大きくしていった妙味がある。
 つじつま合わせなど誰も気にしていない、とにかく話が面白ければいい。そんな作品を描くのに、シンチーほどの適役はいない。
 日本でのキャッチコピーは「とんでもねー!」のようだが、それどころではない。奇想天外、荒唐無稽、とにかく想像をはるかに超えた作品である。

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ドラキュラ ZERO

 超大作であるかのように大々的な広告が打たれている本作だが、その内容は大作というよりはやりたいことを迷いなくやりきった、お楽しみの詰まった映画だ。上映時間も90分程度と、きっちりまとまっている
 決して大作ではないが、コンセプトがはっきりしており、そのために必要なものは全て揃っている。楽しみ方がはっきりした見やすい映画という印象だ。

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アイ・フランケンシュタイン

「フランケンシュタインの怪物」といえば、西洋ホラーでは吸血鬼や狼男にならぶ、スーパースターの一角。
とはいえ、バンバン映画のネタになっている二者と比べると、日本での人気はいまひとつという印象が強い。
本作は、そんなフランケンシュタインの怪物を主役に据え、脇役に天使と悪魔を据えたという意欲作。ダークな雰囲気ながらアクション満載の濃密な映画に仕上がっている。

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