タグ別アーカイブ: ホラー

アイアムアヒーロー

ゾンビ映画はホラーのサブジャンルとして生まれたが、今やそれだけで一大ジャンルを形成しているといっても差し支えないだろう。それほどまでに多くの映画ファンに愛されるようになったのには、他のジャンルでは得られないいくつかのツボを持っているからだ。

本作「アイアムアヒーロー」は、その点において非常に高水準、かつきっちりツボを押さえた作りであることに加え、日本ならではの要素をふんだんに盛り込んだ、まさにジャパニーズゾンビ映画。

グロ表現がどうしても無理、というわけでなければ、確実に誰もが楽しめる一本だ。

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ヴィジット

芸術の役割とは、いかなるものか。

感情を揺り動かすのが芸術だと考えることもできるし、新しい価値観を提示するのが優れた作品であるという考えもあるだろう。

いずれにしろ、恐怖や不安、焦燥や絶望など、普通に生きていてはそうそう味わうことができない強烈な感情を呼び起こすスリラーは間違いなく芸術作品だ。

本作は「シックス・センス」などで知られるシャマラン監督が、原点回帰をうたって低予算の自主製作を行った作品。

観客をどのように怖がらせるか、映画製作者が何十年も繰り返してきた挑戦の最新成果ともいえる、純度の高いスリルを味わうことができる。

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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

コミック作品の実写化は、今や日本映画のみならず世界的な潮流といえる。

さて、「進撃の巨人」は世界中で記録的なヒットを飛ばしている人気シリーズであり、いわば映画原作コミックの大本命。すでにテレビアニメシリーズが製作され、その内容をまとめた映画版前後編も大好評だ。

その作品舞台は文明が崩壊した未来かつヨーロッパ調。日本映画で、一種の「異世界」をいかに作り込むことができるか。何より、重大な衝撃をもって迎えられた巨人の恐ろしさを実写映画で再現できるか。

実写化それ自体が、いわば世界市場という巨人への挑戦になる一作。偉大なる挑戦作として、この夏の映画界を賑わすことは間違いない。

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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア

現代社会に生きるヴァンパイアたち。死者でありながら人間たちから隠れ、ひっそりと身を寄せ合って暮らしている……と、これだけ書くと、ずいぶん深刻そうに思えるが、全編のタッチはコメディだ。

モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)形式をうまく使って、客観的な視点で吸血鬼をとらえる。異常なものを主観的にとらえればホラー、客観的に見ればコメディ、というのはよく言われることだが、本作はまさにそれを体現している。

下品なギャグも頻出する作品だが、モキュメンタリーを利用してどこか品の良いナンセンスギャグとして成立させている。そうして、吸血鬼たちを「彼らは本当にどこかに生きているのかも」という気分にさせてくれる。(もちろん、吸血鬼だから死んでいるのだが)

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映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!

私たちはいま、妖怪ブームの真っ只中にいる。

ヒット商品は時にブームを巻き起こす。ブームが肥大化すれば、それは「社会現象」と呼ばれることになる。それほどの規模の作品が登場するのは、十年に一度と言ったところか。『妖怪ウォッチ』こそ、十年に一度の作品と呼んで差し支えあるまい。

いまや小学生以下にとって、妖怪は最も重要なカルチャーといっても過言ではない。

本作はそんな『妖怪ウォッチ』の劇場版第一作だ。ゲームが発売されてわずか一年半ほどでの劇場アニメ化は、『ポケットモンスター』以上のペースである。

では、時間がないかなその場しのぎで作られた映画になっているかというと、そうではない。職人芸的な工夫が随所にみられ、ブームの勢いを見事に乗りこなし、一過性のブームを文化として固着させようという、意欲的な内容に仕上がっている。

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