タグ別アーカイブ: 池松壮亮

紙の月

犯罪をテーマにした映画は、見事な手際やいかに追っ手から逃れるのかというスリルの他に、ついつい期待してしまうものがある。それは、破滅の瞬間だ。

犯罪は人の心を大きく揺さぶる。「清く、正しく、美しく」という言葉があるが、言うまでもなく犯罪は清い行いではない。社会正義に背いた、不正でもある。だが、それらを踏みにじっても、自分のやりたいこと、求めるものに向かって突き進み、やがて破滅していく姿は、一種の美しさを感じずにはいられない。

すべての犯罪がそうだというわけではない。だが、本作で描かれる横領犯には、破滅へ向かう美を感じずにはいられない。
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