タグ別アーカイブ: 演技派

ソロモンの偽証 前篇・事件

現代の文豪と呼んで差し支えないだろう、宮部みゆきの作風は、綿密に練り上げられながらもエンターテイメント性に溢れたミステリー、時代の雰囲気を精緻に描き出した時代小説、そして一方で、ゲーム好きが高じてのキャラクター重視のジュブナイルも手がけている。

それらのすべての要素が集約された「ソロモンの偽証」の映画化だ。もちろん、実写化のハードルも相当に高い。

挑戦するだけでも偉大な原作だが、鑑賞すればそのハードルを越えるだけの核心があったということが分かる。

ストーリーテリングを支えるキャスティングの偉大さもあわせて、映画の力を実感できる。

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ビッグ・アイズ

押しも押されぬメジャー監督、ティム・バートンは、前作「フランケン・ウィニー」で自らのルーツに向き合い、バートンらしさが凝縮されたような作品を作って見せた。

自らの作風の総決算であった前作に続き、バートン監督が選んだのはまさかの伝記映画だった。

演技派の役者ふたりを中心に据え、VFXも控えめ。「ビッグ・アイズ」は、メジャー映画を手がけてきた彼にしては、こぢんまりした印象の一本だ。

しかし、画面に込められた象徴、色彩、造形。それらは間違いなくバートンの映画に、そして我々がいつも触れているポップカルチャーに確実に繋がっている。世界を確実に変えた絵を通して、いまの世界が何を勝ち得てきたのかを描き出している。

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ジャッジ 裁かれる判事

「世界でもっとも高価な俳優」とまで呼ばれるロバート・ダウニー・Jr。『アイアンマン』で栄光を極めた彼が、自らの制作兼主演に選んだのは、アクションとはかけ離れた法廷ドラマだった。

見事に練り上げられたひとつの町の歴史を背景に、ダウニーとロバート・デュヴァルら名優たちの見事な演技を堪能できる。抑制の効いた演出と撮影、静かながら熱く展開するストーリーテリングに裏打ちされたヒューマンドラマ。

親子の絆を互いの動作と表情で演じてみせる、演技派どうしの全力のやりとりも見どころだ。

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