タグ別アーカイブ: 犯罪

グランド・イリュージョン 見破られたトリック

演技派俳優たちによる共演と、マジックを使った大掛かりな逆転劇により、大ヒットを記録した「グランド・イリュージョン」続編。

ハッタリの聞いたマジックの見せ場と、出演者の演技力によって支えられたリアリティのある会話シーンの間のメリハリがテンポよく、130分の上映時間を一気に見せてくれる。

終盤の畳み掛けるようなどんでん返しだけでなく、ロジックと感情を積み重ねていくうえで、豪華な役者たちの演技合戦も大きな見どころ。

マジックと犯罪を組み合わせ、観客を「だます」ストーリーテリングが爽快だ。

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ジョン・ウィック

「96時間」シリーズのヒットを受けてか、近年この手の復讐ものの映画が製作されるようになってきた。筆者としてはうれしい限りだが、本作はその中でも決定版ともいえる秀逸なデキだ。

キアヌ・リーブスの内面やイメージを反映させた、はまり役と言ってもいいキャラクター。キレのいいスピーディなアクション。想像が広がる魅力的な世界観と、100分の上映時間においしい要素が詰まっている。

繰り返し何度も見て作品の描いている世界に浸りたくなる快作だ。

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WILD CARD ワイルドカード

主演・ジェイソン・ステイサム、サイモン・ウェスト監督といえば「メカニック」に「エクスペンダブルズ2」と、何度もコンビを組んできた勝手知ったるコンビだろう。

イメージ通りなら、見やすく乗りの軽いからっとしたアクション映画……となりそうだが、本作は一転して渋い雰囲気を漂わせたハードボイルド映画だ。

ジェイソン・ステイサムも40台後半に差し掛かり、均整のとれた肉体美に頼らずに映画を作ることへ挑戦した結果だろうか。意外なほどに落ち着いた雰囲気を味わえる。

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チェイス!

インド映画に対して、どんなイメージがあるだろう。

3時間ほどの上映時間は当たり前。脈絡もなく踊り出す。勢い重視で脚本は重要視されていない……。そんなところだろうか。

インド映画、特にムンバイを中心とした映画産業……通称ボリウッドに、「豪華絢爛だが洗練されきっていない、野暮ったい映画」というイメージを持っている人も少なくないのではないかと思う。恥ずかしながら、筆者もこういった印象を抱いていた。

が、それらのイメージをぶっ飛ばす、超ド級のエンターテイメント映画にして、ハリウッドとボリウッドが理想的な融合を果たした超・超大作、それがこの「チェイス!」である。

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紙の月

犯罪をテーマにした映画は、見事な手際やいかに追っ手から逃れるのかというスリルの他に、ついつい期待してしまうものがある。それは、破滅の瞬間だ。

犯罪は人の心を大きく揺さぶる。「清く、正しく、美しく」という言葉があるが、言うまでもなく犯罪は清い行いではない。社会正義に背いた、不正でもある。だが、それらを踏みにじっても、自分のやりたいこと、求めるものに向かって突き進み、やがて破滅していく姿は、一種の美しさを感じずにはいられない。

すべての犯罪がそうだというわけではない。だが、本作で描かれる横領犯には、破滅へ向かう美を感じずにはいられない。
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