タグ別アーカイブ: 緊迫

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

今や「007」シリーズに次ぐスパイ映画の代表作にまで成長した「ミッション:インポッシブル」。

スパイ映画が目白押しとなった2015年、「ジュラシック・ワールド」と同時期の公開でありながらも大健闘の興収を稼ぎ出した本作は、その売り上げにふさわしい充実した内容も持っている。

世界中を飛び回るゴージャスな満足感に趣向を凝らし抜いたアクション、そしてスター中のスター、トム・クルーズの圧倒的な存在感を駆使し、観客を一秒も飽きさせない、超正統派エンターテインメント映画の世界へ連れて行ってくれる。

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アメリカン・スナイパー

巨匠クリント・イーストウッドにとって、暴力、そしてその最大の発露である戦争は、重大かつ重要なテーマであるようだ。

「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」で太平洋戦争を描き、「グラン・トリノ」では朝鮮戦争の記憶に苦しむ元兵士を演じて見せた。彼が興味を向けているのは、戦場で暴力を振るったものもまた、自分自身の暴力に苦しめられるという、いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)である。

イーストウッド最大のヒット作となった本作では、イラク戦争がいかなるものであったかという大きなテーマではなく、そこにいたひとりの兵士がたどった人生に焦点を当てている。

日本人である我々からすれば、現代のアメリカの現実を知る一端にもなるだろう。

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フォックスキャッチャー

他人が罪を犯した時、その理由の全てを理解することは、決してできない。

どんなに綿密に調査をしても、それは同じだ。本作は実際に起きた事件を下敷きにしているが、なぜその行動をしたのかを、完全に解明しようとはしていない。

その代わり、シーンの全てからにじむ不穏さや、役者の所作のひとつひとつが、その結末に向けて時に加速し,時に停滞しながら進んでいく。

あなたがまだこの映画をまだ観ていないなら、事件のことを調べる前に本作をみて欲しい。史実者としては異端だが、ネタバレ厳禁だ。

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ゴーン・ガール

重層的なテーマを持つ作品は、観客の心に様々な波紋を生む。

期待通り、予想外、想像以上。いくつもの感情が渦巻き、その作品が真に訴えようとしたものへ向かって思索が深まっていくのを感じるはずだ。

本作、ゴーン・ガールはまさに複雑な深みを持った映画である。タイトルからすでに不穏さがにじみ出している本作は、すでに巨匠デヴィッド・フィンチャーの最高傑作とも呼び声高い。

観客の常識を裏切り、倫理観を揺さぶる。足場ごとぐらつくような緊張感と不安感。その先では、生きていく上で決して避けられないテーマと直面することになる。

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猿の惑星:新世紀(ライジング)

「猿の惑星:新世紀」の評判がいいことを聞いてはいたのだが、リブート前の旧シリーズも見ていないし、ましてや前作「創世記」すら観ていない。

だが、あまりにすばらしいという話に耐えきれず、前作も観ていないのに、平日の夜にいきなり劇場に足を運ぶことにした。

結果としては、なぜこんな傑作、いや大傑作を、もっと早く観なかったのか、後悔しきりである。

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