タグ別アーカイブ: SF

マッドマックス 怒りのデス・ロード

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。タイトルだけで頭のネジが緩んできそうな本作は、企画から完成まで15年の時を要したという。

スタジオカラーの前田真宏を招いてアニメ映画にする企画が頓挫したり、撮影に使うはずだった砂漠が奇跡的な大雨で緑化してしまうなど、実現までにさまざまな紆余曲折があったようだ。

だが、本作には15年もの時間をかけて製作した価値が間違いなくある。

実物の車を走らせているからこその迫力と、語られずとも伝わってくる激しいドラマ。映画を観る喜びが凝縮された一本だ。

これほどの怪物的傑作は映画ランキングに入れることすらためらわれる。これと比べられては、ほかの映画がかわいそうだ。それほどの作品である。

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プリデスティネーション

「デスティネーション」は目的地や行き先、到着地点などを表す言葉だ。それに「○○以前」という意味の「プリ」がくっついて、「プリデスティネーション」。合わせると、「あらかじめ決まった行き先」、つまり「運命」や「天命」、あるいは神学的な意味の「予定説」も指す。

そんな複雑なタイトルが冠された本作は、非常に少ないキャストでありながら、先の読めないスリリングな展開を描き出す一作。中身はタイトルの何倍も複雑な面白さを持っている。
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ベイマックス

和洋折衷、という言葉がある。

「折衷」というのは、よい部分を選び取って、ひとつの形に仕上げることを指す。

本作「ベイマックス」にはまさにこの言葉がぴったりだ。原作からして、日本のアニメ・漫画の文化をアメコミに取り入れた作品であったのを、さらにディズニーが見事な3Dアニメとして再構築した。

和と洋、2Dと3D、マーベルとディズニー、サンフランシスコと東京。さまざまなものを融合させ、折衷させた、職人芸とすら言って良いだろう、見事なバランス感覚の上に成り立つ、一種の到達点的なアニメ映画だ。

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寄生獣 PART1

『チェイス!』や『西遊記~はじまりのはじまり~』は、数十億円の制作費が投入されており、超大作がアジアでも作られてるようになってきた。ハリウッドでは100億を超える超・超大作も年に何本も製作される。

そんな中、邦画では超大作と言われる作品でも10億に届くか届かないか、といったところだろう。

『寄生獣』はその中にあって、異例の制作費が投入された。『るろうに剣心』と並び、漫画原作にしてビッグバジェットの力をふんだんに活かした、大人のエンターテイメント作品である。

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インターステラー

今や世界を代表するビッグバジェット監督となったクリストファー・ノーランの作品の特徴は、壮大なスケール、ほどよい難解さのストーリー、そして重厚な画面づくり……こういったところだろう。
 重力やブラックホールに関する論文で有名な理論物理学者キップ・ソーンを製作総指揮に向かえた本作は、そんなノーラン監督の持ち味が最大限発揮されている。
 外宇宙探索というSFの王道中の王道でありながら、同時に1人の男の人生を描き、壮大なスケール感とわかりやすいテーマ、SFとヒューマンドラマを見事に両立させた傑作だ。

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